◆アメニウタエバ◆


  朝から重く圧し掛かるような鉛色をしていた空は

  昼を過ぎた頃からポツリポツリと雨粒を落としはじめ

  夕方になった今では静かに街全体を濡らし続けていた。



  東方司令部の入口で、幾分か雨足の強い空を見上げながら
  溜息をつく金色の少年。

  いつも傍らに居る、大きな鎧の姿は今はなく。

  珍しく一人きりで、鈍く垂れ込める雲と降頻る雨を見上げて。

  …恐らく例の文献漁りに夢中で、今漸く帰るところなのだろう。

  しかし本降りになり始めてしまった雨に、傘を持たない彼は。

  ここからは少し距離のある宿泊先まで、どうやって帰るか悩んでいるのだろう。




  そんな少年の姿を見かけて、近付いてきた人影は…





  珍しく仕事を終えて定時帰宅しようとしているマスタング大佐

  東方司令部に出張していて、これから宿泊先に帰るヒューズ中佐

  本日は残業を免れて帰宅するつもりのハボック少尉